当院の「厚い」湿布について
当院では通称「厚い湿布」と患者様に呼ばれているものが使われることがあります。本日は、その湿布薬についてお話ししましょう。湿布の一番外側、肌から遠い層は「固定粘着シート」と呼ばれる白い不織布がメッシュになり、内側がシール状になったものになります。その上に防水にオレンジ色がかった黄色の亜麻仁油紙を載せてシートと一体化させます。その上に一回り小さいサイズの脱脂綿を水で濡らして軽く絞った上で敷いておきます。
石州和紙に、昔はローテルという名前でしたが今は「ハルシンE」という名前で、粘土(ベントナイト)とメントール等の冷感剤を配合したものをパテで広げて挟みます。それをまた軽く水に通して、先に作ったシートに重ね、患部に塗布します。上から包帯やサポーターで固定して7~8時間効果が持続します。高い冷却力と持続力には定評があり、外傷の炎症が激しい時は頼もしい味方です。
最近は、個別にパーツを仕入れる手間や、湿布作りの作業が先生方に嫌われて、使っているところは少ないようですが、一般的に「ゼノール」と呼ばれる市販の湿布薬よりも、かぶれにくく効果も顕著です。まぁ、あまり早く治すと儲かりませんかね?!(笑)