温湿布のトウガラシ成分について

以前、「温湿布も冷湿布も98%同じ成分だから、効能は同じ」と社会的に信用が高いと思われる職業の方が言われておいででした。果たしてそうでしょうか?当院で使用しているテイコクファルマケアの温湿布と冷湿布の効能・効果にも「腰痛、打撲、捻挫、肩こり、関節痛、筋肉痛、筋肉疲労、しもやけ」と同じことが記載されています。しかし、施術現場で使用する場合、温湿布と冷湿布には圧倒的な違いがあり、その差を生み出しているのがトウガラシエキス(カプサイシン)です。

テイコクのティパップホットAの場合、トウガラシエキスは湿布膏体100gに、0.2g(原生薬換算2.5g)含まれています。トウガラシエキスのカプサイシンは、熊の撃退用スプレーにも使用されるくらい強力です。当院でも、付近での熊の出没に備えて「カウンターアソールト」を用意しておりますが、購入当初はスプレー缶の外側に付着した、ごく僅かなカプサイシンに刺激されて、手指が痛かゆくてたまりませんでした。温湿布の「用法・用量に関する注意」にも、「本剤を貼った患部をコタツや電気毛布等で温めないでください。」「本剤を貼ったまま、あるいははがした直後に入浴しないでください。(強い刺激を感じることがあるので、少なくとも入浴の1時間前にははがし、入浴後は30分程してから使用してください。)」と記載されています。98%が同じなら・・・という理屈は、一見すると正しいように思われますが実際はアバウトな話ということになります。それが通るなら紅麹コレステヘルプのような錠剤のサプリメントで人が亡くなることもないと思われます。世の中には、まことしやかな話が結構あるものですね。

 

2024年04月24日